文献詳細
増刊号特集 最近のトピックス2014 Clinical Dermatology 2014
5.皮膚科医のための臨床トピックス
文献概要
要約 足の臭いを訴えて来院する患者は高頻度に多汗を合併し,点状角質融解症(pitted keratolysis)や足白癬をしばしば合併する.臭いの原因としては,繁殖したCorynebacterium 属などの細菌性プロテアーゼにより角質分解産物からロイシン,ロイシンからイソ吉草酸が産生されるためと考えられる.イソ吉草酸は特定悪臭物質の1つであり,臭いの強さはイソ吉草酸の濃度に依存する.足白癬患者で臭いが強いのは,2次的に細菌が増殖してイソ吉草酸の産生が増加するためと考えられる.Corynebacterium に対しては抗生物質外用薬やCorynebacterium 属などのグラム陽性菌に抗菌作用があるイミダゾール系の抗真菌外用薬が有効である.
参考文献
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