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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻6号

2014年05月発行

症例報告

フキノトウによるアナフィラキシーショックの1例

著者: 菊池里奈子1 花田美穂2 赤坂俊英2

所属機関: 1盛岡赤十字病院皮膚科 2岩手医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.395 - P.397

文献概要

要約 27歳,女性.2012年4月にフキノトウ,アボカド,キャベツ,チーズの入ったパスタを摂取後,口唇の腫脹,嘔気,動悸,全身に膨疹が出現し,2時間後に意識消失した.特異的IgE抗体(class)ではヨモギ4,オオブタクサ4,フランスギク4,タンポポ4,アボカド2であった.プリックテストでは,フキノトウ雄花(加熱,非加熱とも)2+,アボカド2+,キャベツ2+,ヨモギ2+であった.口含み試験ではフキノトウのみ陽性であり,フキノトウによる口腔アレルギー症候群から進展したアナフィラキーショックと診断した.フキノトウのアレルゲンは熱に対し安定であることが示された.また全身性の強い症状が出現したことより,クラス1食物アレルギーと考えた.即時型アレルギーは生死に関わる場合があるため原因の検索は重要である.再投与試験は重篤な症状を誘発する可能性があるが,慎重に可能な限り対応する必要があると考える.

参考文献

1) 山本美穂,他:アレルギー・免疫 9:564, 2002
2) 二条貞子,他:皮膚 28:378, 1986
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5) 猪又直子:皮膚病診療 33:451, 2011
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8) 足立厚子:食物アレルギーの治療と管理,診断と治療社,p192, 2008
9) 石澤俊幸,他:皮膚臨床 46:1102, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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