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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻6号

2014年05月発行

症例報告

超音波検査が診断に有用であったpiezogenic pedal papulesの1例

著者: 田口麻莉1 清水奈美1 岡林綾1 大霜智子1 中川浩一1

所属機関: 1済生会富田林病院皮膚科

ページ範囲:P.407 - P.409

文献概要

要約 38歳,女性.数か月前より立位で両踵に直径数mmで常色の多数の無痛性丘疹が出現し,臥位で消失した.超音波検査では,踵に体重をかけると,脂肪組織と等エコーの小塊が真皮内にみられたが,力を取り除くとこの小塊は消失した.病理組織学的検査では,異型性のない脂肪細胞からなる皮下脂肪織の小塊が真皮膠原線維間に認められた.以上の所見から自験例をpiezogenic pedal papules(PPPs)と診断した.本症の誘因として踵への荷重が挙げられているが自験例でもBMIが25.9とやや高値を示していた.文献を渉猟したが,PPPsに対して超音波検査を施行した例は,本邦では,舛岡らが報告した1例と自験例のみである.両者とも荷重時に,脂肪織の真皮内への突出を認め,超音波検査は診断に有用な低侵襲の検査であると考えられた.

参考文献

1) Shelley WB, Rawnsley HM:JAMA 205:308, 1968
2) 松村雅示,東 禹彦:日皮会誌 93:898, 1983
3) 鈴木 琢,他:皮膚臨床 48:1587, 2006
4) Cho SB, et al:Clin Exp Dermatol 34:325, 2009
5) 舛岡恵律子,他:皮の科 11:107, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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