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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻6号

2014年05月発行

症例報告

抗EJ抗体陽性の抗ARS抗体症候群の1例

著者: 秋津美帆1 石黒直子1 近藤光子2 濱口儒人3 藤本学3 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2東京女子医科大学第1内科 3金沢大学大学院医学系研究科皮膚科学

ページ範囲:P.411 - P.414

文献概要

要約 65歳,女性.1999年より他院で間質性肺炎の診断でプレドニゾロン(PSL)60mg/日を開始され,2007年より当院内科にて通院中であった.経過中,上眼瞼,手指,肘頭,膝蓋の紅斑が明瞭となり,当科を紹介された.初診時,PSL 8mg/日投与中であった.皮膚筋炎を疑い,2008年に肘頭,2011年には手指の紅斑を生検するも,いずれも真皮上層血管周囲の軽度のリンパ球浸潤のみであった.筋症状はなく,腫瘍マーカーは正常範囲内であった.抗核抗体は80倍で,免疫沈降法にて抗EJ抗体が陽性であることが判明し,抗アミノアシルtRNA合成酵素抗体症候群と診断した.PSL 5~10mg/日の内服にて皮疹,間質性肺炎ともに進行は認めなかった.特発性の間質性肺炎として既にステロイド投与を受けている症例では,皮膚筋炎としての臨床像が顕性化しにくい可能性もあり,筋炎特異抗体について積極的に検討する必要があると考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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