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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻6号

2014年05月発行

文献概要

症例報告

多発性骨髄腫に合併し,舌の多発丘疹を認めたALアミロイドーシスの1例

著者: 佐藤美聡12 栗原佑一1 西尾有紀子1 井上健太郎3 宮川俊一1

所属機関: 1川崎市立川崎病院皮膚科 2慶應義塾大学病院皮膚科 3川崎市立川崎病院総合診療科

ページ範囲:P.415 - P.419

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要約 71歳,男性.初診の6か月前より15kgの体重減少を認め,3か月前から皮疹が出現したため当科を受診した.初診時,前額,口唇,前腕,体幹に丘疹が多発散在し,舌に半透明の丘疹および紫斑を認めた.病理組織像では粘膜下層に無構造物質が沈着し,コンゴーレッド染色で橙色に染色された.血清および尿中にBence Jones蛋白κ型M蛋白が検出され,骨髄生検では形質細胞が9.0%と増加していた.頭部X線で骨の打ち抜き像を認めた.上・下部消化管内視鏡では異常所見はなかった.多発性骨髄腫に合併したALアミロイドーシスと診断し,MD療法(メルファラン0.22mg/kg,デキサメタゾン40mg/日)を開始したが,呼吸不全,心不全のために2か月後に永眠した.舌病変を認め,かつ多発性骨髄腫に合併した症例は予後が悪く,早期診断および治療が重要であると考えた.

参考文献

11) 玉置邦彦(編):最新皮膚科学体系,10巻,中山書店,p32, 2003
2) 池田修一:血液フロンティア 19:1345, 2009
3) 磯辺 敬:アミロイドーシス,名古屋大学出版会,p57, 1987
4) 相馬良直:血液フロンティア 14:355, 2004
5) 本間 大,他:皮膚臨床 46:1125, 2004
6) 影山葉月,他:臨皮 61:162, 2007
7) Falk RH, et al:N Engl J Med 337:898, 1997
8) Jaccard A, et al:N Engl J Med 357:1083, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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