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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻6号

2014年05月発行

文献概要

症例報告

Aneurysmal fibrous histiocytomaの1例

著者: 佐藤麻有子1 若林正一郎1 外川八英1 神戸直智1 松江弘之1

所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院皮膚科学

ページ範囲:P.429 - P.432

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要約 70歳,女性.5年程前より生じた右大腿の結節を主訴に来院した.ドーム状に隆起する弾性硬の褐色結節で,皮下に腫瘤を触知した.ダーモスコピーにて皮膚線維腫に特徴的なcentral white patchないしはnetworkと,辺縁のdelicate pigment networkに加え,中央部には白もやがかった赤~青紫色の無構造領域を認めた.エコーでは境界明瞭で内部比較的均一な低エコー病変がみられた.病理組織所見は,典型的な皮膚線維腫の所見に加え,真皮内に好塩基性の腫瘍塊を認め,腫瘍塊内部に大小の空隙が多数みられた.空隙の内部には赤血球が充満しており,また空隙の壁はCD34陰性と血管内皮細胞を欠いていた.以上よりaneurysmal fibrous histiocytomaと診断した.低エコー病変,ならびにダーモスコピーで認めた赤~青紫色の無構造領域は,真皮内の赤血球を充満した空隙を反映しているものと思われ,診断の一助となると考えた.

参考文献

1) Santa Cruz DJ, Kyriakos M:Cancer 47:2053, 1981
2) 堀木 聡,他:皮膚 35:505, 1993
3) 横溝香奈,他:臨皮 59:670, 2005
4) Colonje E, et al:Histopathology 26:323, 1995
5) 神吉晴久,他:皮膚臨床 43:867, 2001
6) 大谷綾子,他:皮膚臨床 54:613, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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