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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻6号

2014年05月発行

文献概要

臨床統計

当科におけるアナフィラクトイド紫斑病の臨床的検討

著者: 結城明彦1 苅谷直之1 伊藤雅章1

所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野

ページ範囲:P.465 - P.468

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要約 2000年1月から2012年12月の間に,当科において臨床経過,病理組織所見からアナフィラクトイド紫斑病(anaphylactoid purpura)と診断された4~90歳の113症例において,若年群,成人群,高齢群に分類し比較検討を行った.消化器症状,関節症状は若年群で高率に認めた.腎症状は高齢群に多く有意差を認め,紫斑病性腎炎も高齢群に多く認められた.腎症状出現時期に関し,紫斑出現時期と一致しない症例もみられた.高齢群では若年群よりも上気道炎症状の出現が低率であった.血清IgA増加は高齢群で多く認められ有意差を認めた.本検討では総じて本邦における既存の報告と同様の結果を得た.高齢群では症状が遷延,重症化し,ステロイド内服治療を要する例が多く,注意が必要であると思われた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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