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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻7号

2014年06月発行

文献概要

症例報告

アルブチンによる接触皮膚炎の1例

著者: 仲宗根尚子1 仲村郁心1 山田智史2 平良清人1 高橋健造1 上里博1

所属機関: 1琉球大学大学院医学研究科皮膚病態制御学 2琉球大学医学部附属病院薬剤部

ページ範囲:P.484 - P.488

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要約 61歳,女性.初診2日前に新しく購入した化粧水を使用し,翌日より顔面に掻痒を伴う紅斑と両眼瞼の腫脹を自覚した.接触皮膚炎を疑いパッチテストを施行したところ,顔面に使用していた化粧水および含有美白成分のアルブチンが陽性であった.本症例をアルブチンによる接触皮膚炎と診断し,原因化粧水の中止とベタメタゾン吉草酸エステル軟膏の外用で症状は軽快した.アルブチンは患者が8年前に使用した化粧品にも含有されていた.近年,美白目的で使用される化粧品にはアルブチンを含有した商品が多数上市されている.これまでアルブチンによる接触皮膚炎の報告は少ないが,今後さらなる美白ブームが予想され,アルブチン含有化粧品が広く使用されることにより同剤による接触皮膚炎が増加すると思われる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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