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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻7号

2014年06月発行

文献概要

症例報告

Crohn病患者に投与されたインフリキシマブによって誘発された膿疱性乾癬様皮疹

著者: 山口隼人1 森木睦2 市川仁美3 池谷茂樹1 藤山俊晴1 島内隆寿1 伊藤泰介1 平川聡史1 戸倉新樹1

所属機関: 1浜松医科大学皮膚科 2藤枝市立総合病院皮膚科 3浜松医科大学消化器内科

ページ範囲:P.505 - P.510

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要約 18歳,男性.Crohn病に対してインフリキシマブにより加療中であった.3回目投与7日後,発熱とともに,頭部,顔面と体幹四肢に膿疱と紅斑が出現した.Crohn病の増悪は認めなかった.皮膚生検組織像は膿疱性乾癬様であり,インフリキシマブによる逆説的副反応と考えた.インフリキシマブ投与を中止し,シクロスポリン内服とステロイド外用により皮疹は改善し,Crohn病も良好に経過した.末梢血の形質細胞様樹状細胞は,初診時に増加しており,症状の改善後,低下した.生物学的製剤の使用が増加するにつれて,今後,逆説的副反応に遭遇する頻度も増すと考えられる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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