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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻7号

2014年06月発行

文献概要

症例報告

サルコイドーシスとSjögren症候群の合併例

著者: 森志朋1 影下雄一1 高橋和宏1 赤坂俊英1 後藤康文2 小林仁3

所属機関: 1岩手医科大学皮膚科学教室 2後藤泌尿器科皮膚科医院 3岩手医科大学呼吸器アレルギー膠原病内科教室

ページ範囲:P.515 - P.519

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要約 59歳,女性.52歳時に顔面と頸部に皮疹が出現し近医受診.生検でサルコイドーシスと診断され,眼科的検索を含む全身精査で異常はなく皮膚サルコイドーシスとして加療していた.2012年5月頃より皮疹が拡大し疲労感の出現もあり当科に入院した.胸部X-Pで縦隔リンパ節は軽度腫脹していた.抗SS-A抗体,抗SS-B抗体とも高値で,Sjögren症候群の精査のため唾液腺生検を施行したところ導管周囲に著明なリンパ球浸潤を確認した.また,心電図で高度房室ブロックを認めた.サルコイドーシスの病変が眼や唾液腺に及んだ場合,Sjögren症候群様症状を呈すことがあるとされるが,今回,われわれは皮膚サルコイドーシスの経過中にSS-A抗体,SS-B抗体が陽性となり,房室ブロック発症によりサルコイドーシスの診断に至ったと考え報告する.サルコイドーシスによる死因の半数は心病変によるといわれており,皮膚サルコイドーシス患者を診た場合には,長期にわたり経過をみるとともに,定期的な全身精査がきわめて重要である.

参考文献

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16) MannáJ, Badrias F:Sarcoidosis 9:15, 1992

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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