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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻7号

2014年06月発行

文献概要

症例報告

CD163陽性atypical fibroxanthomaの1例

著者: 村岡聡介1 高橋和宏1 赤坂俊英1

所属機関: 1岩手医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.531 - P.534

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要約 58歳,女性.下口唇下方右側に6mm大の境界明瞭な黄色ドーム状結節が1個生じた.組織は真皮から皮下組織に至る腫瘍で,核に多形性を有する線維芽細胞様細胞が不規則な錯綜配列を呈し,組織球様細胞や多核巨細胞,泡沫状の胞体を有する細胞が散見された.ビメンチン,CD10,CD68,CD163がほとんどすべての腫瘍細胞の細胞質で陽性であった.S100,抗サイトケラチン抗体(AE1/3),デスミン,カルデスモン,α-SMA,CD34は陰性であった.MIB-1は約1/3の腫瘍細胞の核で陽性を示した.これら所見よりatypical fibroxanthoma(AFX)と診断した.全摘術後約2年半が経過したが,局所再発はない.単球および組織球に発現する膜蛋白質であるCD163がAFXと他の紡錘形腫瘍との鑑別に有用であると考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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