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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻8号

2014年07月発行

文献概要

症例報告

デガレリクス投与により生じた皮膚障害の1例

著者: 甲斐文丈1 森達吉2 海野智之1 須床洋1

所属機関: 1富士宮市立病院泌尿器科 2富士宮市立病院皮膚科

ページ範囲:P.607 - P.610

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要約 73歳,男性.主訴は前腹部注射部位発赤,硬結であった.前立腺癌cT3bN1M1cに対し,他院でホルモン療法を施行されていた.当院受診9日前に,他院でデガレリクス皮下注射(初回投与)を受け,注射部位に一致した皮膚障害を認めた.当院皮膚科で患部治療後,泌尿器科でホルモン療法の薬剤をデガレリクスから酢酸リュープロレリンに変更した.その後,皮膚障害の再発を認めない.デガレリクスは前立腺癌に対し有効な薬剤であるが,従来のGnRHアゴニスト製剤と比較して注射部位反応は多いとされ,その成因はいまだ不確定である.本剤投与時には,さらなる慎重さと注意深い観察とが求められる.

参考文献

1) 三富 健:日病薬誌 49:404, 2013
皮下注用80mg・120mg,アステラス製薬株式会社,2012
3) Van Poppel H & Klotz L:Int J Urol 19:594, 2012
4) 海老原全:皮膚臨床 54:1491, 2012
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6) 甲斐文丈,神林知幸:臨泌 65:681, 2011
SR注射用キット11.25,武田薬品工業株式会社,2011
LA 10.8mgデポ,アストラゼネカ株式会社,2011
9) Klotz L, et al:BJU Int 102:1531, 2008
10) Ozono S, et al:Jpn J Clin Oncol 42:477, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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