icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科68巻8号

2014年07月発行

--------------------

文献紹介 腫瘍の遺伝子変異や耐性に左右されない悪性黒色腫治療 フリーアクセス

著者: 中村善雄1

所属機関: 1慶應義塾大学

ページ範囲:P.606 - P.606

文献概要

 BRAF阻害薬であるベムラフェニブが悪性黒色腫治療を劇的に変えたことは記憶に新しい.しかし,数か月後には他の変異が出現し耐性を獲得してしまうという問題点がある.悪性黒色腫を克服するためには遺伝子変異や耐性に左右されない治療が求められている.

 今回著者らは悪性黒色腫で発現が低下している眼球関連転写因子(microphthalmia-associated transcription factor:MITF)の存在に注目した.MITFはメラニン産生に関与する遺伝子の分化を促進させ,逆にMITFが減少すると悪性黒色腫が未分化になり,浸潤性が高まることがわかっている.MITFを活性化することで悪性黒色腫が治療に反応する表現型にスイッチし,その特徴を抗悪性黒色腫療法に応用できるのではないかと考えた.

参考文献

Saez-Ayala M, et al:Directed phenotype switching as an effective antimelanoma strategy. Cancer Cell 24:105-119, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら