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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻1号

2015年01月発行

文献概要

症例報告

サクランボによる口腔アレルギー症候群の1例

著者: 結城明彦1 大湖健太郎2 塚本清香1 増井由紀子1 伊藤明子1 伊藤雅章1

所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野 2高知大学医学部皮膚科学講座

ページ範囲:P.25 - P.28

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要約 42歳,男性.サクランボ摂取後に咽頭の掻痒,蕁麻疹,呼吸苦を生じ,救急搬送され軽快した.後日入院精査した結果,IgE RASTはリンゴ,ナシ,モモ,ハンノキがclass2,シラカンバはclass3であり,prick test,prick-to-prick testでサクランボ等のバラ科果物が陽性であった.シラカンバやハンノキなどのカバノキ科樹木の花粉で感作され,交差反応性にバラ科果物によるoral allergy syndrome(OAS)を発症したと考えた.バラ科果物と交差反応をきたすシラカンバやハンノキは本邦でも広く見かけるため,バラ科果物によるOASは本邦でも報告が多い.なかでもサクランボは摂食機会も少なくOASをきたすバラ科の果物のなかで報告はまれであるが,バラ科でOASをきたす代表的な食物の1つとして重要と考えた.

参考文献

1) 塩原哲夫,他:1冊でわかる皮膚アレルギー,文光堂,p61,2012
2) 大野真梨恵,他:日ラテックスアレルギー研会誌 15:53, 2011
3) 朝倉光司:日耳鼻会報 112:38, 2009
4) 朝倉光司:医学のあゆみ 209:151, 2004
5) 猪口成美,他:天草医会誌 21:51, 2007
6) Eriksson NE, et al:Allergy 37:437, 1982
7) Diez-Gómez ML, et al:Allergy 54:951, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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