icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻10号

2015年09月発行

文献概要

症例報告

産後に右1趾爪甲が埋没した陥入爪の1例

著者: 佐藤隆亮1 菊池剛彰1 前田文彦1 高橋和宏1 赤坂俊英1

所属機関: 1岩手医科大学皮膚科学講座

ページ範囲:P.727 - P.729

文献購入ページに移動
要約 34歳,女性,第一子産後2か月.妊娠前から陥入爪,爪囲肉芽を繰り返していた.近医で爪の斜め切り・抜爪を繰り返していたが,施術後の処置指導や定期通院の指示はなかった.妊娠,産前産後のため通院困難な時期に自分で同様の処置を繰り返しているうちに疼痛を伴ったため来院した.初診時第1趾全体が皮膚に覆われ爪甲は目視できず趾尖に潰瘍がみられた.切開すると爪甲が確認され感染を伴っていため全抜爪した.術後は健全な爪甲の伸長を図るため後爪郭の圧迫,趾尖・側爪郭の隆起予防の処置指導を行い良好な爪甲伸長を得た.妊娠出産に伴う過剰肉芽形成が特異な臨床像を呈する原因になったと考えた.また,陥入爪の治療は処置手技のみではなく術後の処置法および患者への指導が重要と考えた.

参考文献

1) 東 禹彦:爪 基礎から臨床まで,金原出版,p136, 2004
2) 中藤奈美:皮膚病診療 29:963, 2007
3) 東 禹彦:爪 基礎から臨床まで,金原出版,p32, 2004
4) 日野治子:Visual Dermatol 7:619, 2008
5) Yuan K, et al:J Periodontol 73:701, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?