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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻10号

2015年09月発行

文献概要

症例報告

Erdheim-Chester病と考えられた1例

著者: 有波浩1 会沢敦子1 株本武範1 藤原浩1 伊藤雅章1 生越章2 和泉大輔3 松永佐澄志4

所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野 2新潟大学大学院医歯学総合研究科整形外科学分野 3新潟大学大学院医歯学総合研究科循環器内科学分野 4新潟大学大学院医歯学総合研究科血液・内分泌・代謝内科学分野

ページ範囲:P.735 - P.741

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要約 57歳,男性.1年前より前頭部に小丘疹が多発し,徐々に上眼瞼や頰部に拡大した.近医で外用加療されたが改善なく,当科を紹介された.皮膚生検病理組織像では,サルコイドーシスが疑われ,全身検索を行ったが,他の病変は認められなかった.その後,顔面の皮疹は消褪していったが,胸部や上腕に皮疹が拡大した.約2年後,中枢性尿崩症,長管骨病変が出現した.再度の皮膚生検では,真皮の浅層にスリガラス状で好酸性の細胞質を有する組織球が浸潤し,それらは免疫染色でCD68陽性,S100蛋白陰性,CD1a陰性であった.臨床症状と合わせ,Erdheim-Chester病と考えた.初診時の病理組織では,CD68陽性,CD1a陰性だったが,S100蛋白陽性の細胞も認めた.過去の報告で,Langerhans細胞組織球症の先行例や合併例があるが,自験例でもその可能性を考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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