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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻10号

2015年09月発行

症例報告

両下肢に結節性紅斑様皮疹が多発したSweet病の1例

著者: 花岡佑真1 松井佐起1 福山國太郎1

所属機関: 1関西労災病院皮膚科

ページ範囲:P.755 - P.759

文献概要

要約 58歳,女性.1週間以上持続する発熱と両下肢に多発する紅斑を主訴に受診した.掌蹠膿疱症の既往がある.左下眼瞼に大豆大の膿疱を伴う浮腫性紅斑や下口唇のアフタがあり,両下肢には境界不鮮明な母指頭大までの浸潤触れる暗紅色紅斑が多発し,一部毛孔一致性膿疱を伴っていた.大腿の浸潤性紅斑の病理組織像は好中球主体の毛包周囲炎と隔壁性脂肪織炎であった.臨床経過も踏まえSweet病と診断し,コルヒチン内服を開始したところ,速やかに解熱し紅斑も消退した.自験例は両下肢に結節性紅斑様皮疹が多発し,Behçet病様の皮膚症状を呈したSweet病であった.Sweet病とBehçet病は独立疾患であるが,好中球機能亢進という共通の病態があるため,共通の症状や検査所見を持つが,合併症や治療・経過は異なる.典型疹と結節性紅斑などが混在する場合,いずれかの疾患として一元的に捉えるか,あるいは合併と考えるべきか注意深く診断する必要がある.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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