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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻10号

2015年09月発行

文献概要

症例報告

大量免疫グロブリン静注療法の併用によりステロイドを減量しえた天疱瘡の2例

著者: 遠藤千尋1 常深祐一郎1 五十嵐麻貴1 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.767 - P.772

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要約 症例1:19歳,男性.初診の2か月前より口腔内にびらんが多発し,増数した.粘膜型尋常性天疱瘡の診断でプレドニゾロン(PSL)50mg/日投与を開始したが,PSL減量にてびらんが再燃したためステロイド減量困難例と判断し,大量免疫グロブリン静注(intravenous immunoglobulin:IVIG)療法を併用したところPSLを順調に減量できた.症例2:76歳,男性.初診2か月前より顔面,軀幹,四肢にびらんを伴う紅斑が多発し増数した.落葉状天疱瘡の診断でPSL 40mg/日投与を開始したがびらんと紅斑の新生が続いた.高齢であり,心筋梗塞,高血圧の既往があるためステロイド増量はせずにIVIG療法を併用したところ,ステロイドを順調に減量できた.ステロイド減量困難例や,ステロイド長期投与による合併症の危険性が高い天疱瘡の症例にIVIG療法の併用は有用である.

参考文献

1) Amagai M, et al:Cell 67:869, 1991
2) 天谷雅行:最新皮膚科学体系,第6巻,中山書店,p6, 2002
3) 天谷雅行,他:日皮会誌 120:1443, 2010
4) Amagai M, et al:J Am Acad Dermatol 60:595, 2009
5) Ballow M:J Allergy Clin Immunol 100:151, 1997
6) Aoyama Y:J Dermatol 37:239, 2010
7) Czernik A, et al:J Am Acad Dermatol 58:796, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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