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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻10号

2015年09月発行

症例報告

BCG接種後に生じた腋窩リンパ節腫大に対して摘出術を施行した2例

著者: 三井田博1 相澤悠太2 大石智洋2

所属機関: 1新潟県立新発田病院皮膚科 2新潟大学大学院医歯学総合研究科小児科学分野

ページ範囲:P.783 - P.788

文献概要

要約 症例1:10か月,女児.BCG接種後に左腋窩に皮下結節が出現し,自潰,排膿がみられた.症例2:10か月,女児.同様に皮下結節が出現し,自壊,排膿はみられなかったが残存した.症例1は発症後5か月目に,症例2は3か月目に残存した皮下結節を全身麻酔下に全摘した.いずれも病理組織学的にリンパ節内に壊死を伴う類上皮細胞肉芽腫を確認でき,症例2では検体から抗酸菌培養とPCRでMycobacterium tuberculosis complexと確認された.2例とも抗結核剤の投与は行わずとも再発はなく,術創部の感染や離開などの術後合併症も生じなかった.乳児のBCGの副反応の腋窩リンパ節腫大は,大半の症例では2か月程度で自然消退するとされるが,時に自壊・排膿したり,長期に残存する例もあるため,2〜3か月程度は経過観察を行い,それでもなお消退しない場合,全身麻酔が可能であれば,外科的摘出術も選択肢の1つとしてよいと思われた.

参考文献

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8) 露口一成,他:結核 86:87, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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