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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻11号

2015年10月発行

文献概要

症例報告

腹痛を契機に発見された骨髄性プロトポルフィリン症の1例

著者: 浅見友梨1 清水真1 磯野公美1 唐沢卓生1 長瀬佳代1 嘉陽織江1 大野稔之1 瀧田晴加2 中野創3

所属機関: 1国立病院機構名古屋医療センター皮膚科 2国立病院機構名古屋医療センター小児科 3弘前大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.831 - P.835

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要約 10歳,男児.幼少期より光線曝露後に紅斑性皮疹を繰り返していた.2013年6月中旬頃,光線曝露後に顔面・手指の発赤・腫脹が出現し,その後腹痛・下痢・嘔吐が現れた.経口摂取不可となり,肝機能障害も出現したため入院した.鼻・頰を中心に紅斑を伴う萎縮性瘢痕と,口唇・耳介に痂皮を伴う紅斑を認め,両手背に色素沈着を伴う萎縮性瘢痕が多数みられた.赤血球中プロトポルフィリン高値,尿中コプロポルフィリン・ウロポルフィリン軽度高値を認め,骨髄性プロトポルフィリン症(erythopoietic protoporphyria:EPP)と診断した.自験例では前医にて慢性湿疹として治療されていた皮膚症状があり,腹痛・肝障害を合併したためにEPPと診断しえた.

参考文献

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2) 有馬礼人,他:臨皮 62:359, 2008
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8) 荒井佳恵,他:皮膚病診療 26:1261, 2004
9) 鈴木理華,他:皮膚病診療 26:1257, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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