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症例報告
ポリープ状(桑の実状)基底細胞癌の1例
著者: 齋藤京1
所属機関: 1さいたま市立病院皮膚科
ページ範囲:P.837 - P.840
文献購入ページに移動要約 62歳,男性.右陰囊の桑の実状の有茎性腫瘍があり,ダーモスコピーで臨床的に凸の位置にspoke-wheel areaやleaf-like areaを,また,一部にarborizing vesselsを認めた.病理組織学的に基底細胞癌(basal cell carcinoma:BCC)と診断したが,表面の凸部分に一致して小腫瘍塊,それを多数認めるという特徴があった.有茎性BCCは稀だが,自験例はpolypoid BCCに相当する.腫瘍塊形成の際,収縮する力が時に皮膚から突出する力に転嫁されると仮定すると,多くの有茎性BCCは腫瘍全体が収縮して球状から茸状の臨床をとり,自験例は多発した小腫瘍塊が各々収縮して桑の実状を呈したと考えられた.
参考文献
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