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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻11号

2015年10月発行

文献概要

症例報告

皮膚原発Ewing肉腫/primitive neuroectodermal tumorの1例

著者: 岩間英明1 菊地克子1 石原志乃1 三井英俊1 渡辺みか2 綿貫宗則3 保坂正美3 相場節也1

所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科皮膚科学講座 2東北大学病院病理部 3東北大学大学院医学系研究科外科病態学講座整形外科学分野

ページ範囲:P.847 - P.852

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要約 29歳,男性.右腋窩の3か月前から急速に拡大する10cm大紫紅色ドーム状腫瘤を主訴に当科を受診した.病理組織学的にグリコーゲン顆粒を有するCD99陽性の小円形細胞腫瘍であった.EWSの遺伝子転座が確認されたため皮膚原発Ewing肉腫(Ewing sarcoma)/primitive neuroectodermal tumor(ES/PNET)と診断した.他臓器への転移は認めなかった.腫瘍広範切除術に化学療法,放射線療法を併用した集学的治療で加療した.術後半年の時点で,再発や転移は認めていない.皮膚原発ES/PNETは,骨原発ES/PNETや骨外性ES/PNETと性差や予後が違うことがわかってきているが,症例数が少ないため,現在は皮膚原発以外のES/PNETと同様の治療が行われている.皮膚原発ES/PNETに対してより侵襲の少ない固有の治療法の確立が必要と考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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