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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻11号

2015年10月発行

文献概要

臨床統計

当院で経験したマムシ咬傷34例の臨床的検討

著者: 井上久仁子1 谷川広紀1 井上真紀1 工藤恵理奈1 田上俊英2 牧野雄成1

所属機関: 1国保水俣市立総合医療センター皮膚科 2田上皮ふ科クリニック

ページ範囲:P.877 - P.881

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要約 2007〜2014年の7年間に当院を受診したマムシ咬傷34例(男性16例,女性18例)の臨床症状,検査値,経過について後ろ向き検討を行った.平均年齢は67歳,咬傷部位は手指が24例と最も多かった.腫脹の程度による分類では,Grade Ⅰ:4例,Grade Ⅱ:3例,Grade Ⅲ:3例,Grade Ⅳ:18例,Grade Ⅴ:6例であり,合併症として5例に外眼筋麻痺・複視を認めた.臨床症状による重症度分類と,検査値による重症度分類は相関関係を示した.抗毒素はGrade Ⅲ以上の計13例に使用した.Grade Ⅳ以上の重症例で抗毒素投与群と非投与群を比較すると,投与群ではCPK値が上昇している期間が有意に短く,入院期間は有意差はないものの短縮傾向であった.ステロイド投与は12例に行った.減張切開は15例に施行したが,入院期間,腫脹期間,疼痛期間が延長する傾向がみられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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