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症例報告
塩酸ジブカインによる光線過敏型薬疹の1例
著者: 夏見亜希1 加藤敦子1
所属機関: 1大阪回生病院皮膚科
ページ範囲:P.907 - P.911
文献購入ページに移動要約 41歳,女性.内痔核の手術後よりプロクトセディル®軟膏を使用していた.その5日後より手背・頸部に瘙痒を伴う皮疹が出現したため,すべての薬剤を中止し,ステロイド外用剤による加療を受けたが,改善しなかったため受診した.露光部に一致して浮腫性紅斑と水疱を認め,最少反応量の低下もみられたことから,光線過敏症と診断した.治癒後,原因検索のため,使用していた内服薬・外用薬の光貼布試験を施行した.プロクトセディル®軟膏と,その成分である塩酸ジブカインは,いずれも非照射部で陰性,UVA照射部で陽性であった.以上より,軟膏に含まれた塩酸ジブカインによる光線過敏型薬疹であると診断した.粘膜に外用する薬剤は吸収されやすく,全身投与と同じように激しい症状を呈する可能性があり,注意が必要である.
参考文献
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