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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻12号

2015年11月発行

文献概要

症例報告

TGM1遺伝子変異が同定された葉状魚鱗癬の姉弟症例

著者: 滝沢佐和1 春名邦隆1 濱田尚宏2 沼田早苗3 橋本隆3 須賀康1

所属機関: 1順天堂大学医学部附属浦安病院皮膚科 2濱田皮膚科医院 3久留米大学皮膚細胞生物学研究所

ページ範囲:P.917 - P.922

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要約 症例1:28歳,男性.症例2:32歳,女性で症例1の姉.両症例ともに生下時にコロジオン児の外観を呈し,その後は徐々に全身に過角化,鱗屑が顕著となり,眼瞼外反,脱毛なども伴っていたため先天性魚鱗癬と診断された.皮膚病理組織所見では,不全角化を伴わない著明な角質肥厚,表皮肥厚を認めた.In situ transglutaminase assayで,表皮内酵素活性の明らかな低下がみられたためTGM1遺伝子変異による葉状魚鱗癬を強く疑いDNA解析を施行した.その結果,両症例とも停止コドンを形成するc.374delAのホモ変異体であることが判明した.患者の遺伝相談やより良い皮疹のコントロールを検討する上でも,今後の症例の集積と詳細な検討が重要と考えた.

参考文献

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11) Sugiura K, et al:J Dermatol Sci 72:197, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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