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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻12号

2015年11月発行

文献概要

症例報告

5%イミキモドクリーム外用が奏効した乳房外Paget病の1例

著者: 角田加奈子1 馬場由香1 赤坂俊英2

所属機関: 1盛岡赤十字病院皮膚科 2岩手医科大学皮膚科学講座

ページ範囲:P.939 - P.943

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要約 87歳,女性.3年前から外陰部に無症状の紅斑が出現して徐々に拡大し,受診した.紅斑部の生検では,表皮内に淡い胞体を持つ異型細胞が増殖し,これらはCEA,CK7陽性で,乳房外Paget病と診断した.高齢で全身状態が不良のため,手術や放射線療法は施行せず,5%イミキモドクリームの外用を週3回行った.治療中の病巣では,granzyme B,CD8陽性リンパ球が真皮内に多数浸潤し,表皮向性もみられた.外用開始から12週間後,紅斑,びらんは消退,病理組織学的にも腫瘍細胞の消失を確認した.また,granzyme B,CD8陽性リンパ球は治療中と比し,治療終了時には明らかに減少していた.リンパ球を介し抗腫瘍効果を示す5%イミキモドクリーム外用療法は,簡便で低侵襲な治療方法であり,高齢で手術困難な症例に対する選択肢となると考える.

参考文献

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10) Woodmansee C, et al:Drugs 66:1657, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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