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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻13号

2015年12月発行

文献概要

症例報告

市販点眼薬の添加物であるクロルヘキシジングルコン酸塩による即時型アレルギーの1例

著者: 永島和貴1 梅本尚可1 飯田絵理1 牧伸樹1 中村考伸1 加倉井真樹1 中村哲史1 山田朋子1 出光俊郎1

所属機関: 1自治医科大学附属さいたま医療センター皮膚科

ページ範囲:P.993 - P.996

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要約 29歳,女性.市販の点眼薬(ティアリッチ目薬:第一三共ヘルスケア)を使用した直後に顔が腫れ呼吸が苦しくなった.この点眼薬の使用は初めてであった.詳細な問診によりオロナイン®H軟膏を頻用していたことが確認された.点眼薬に含まれる全成分の供与を製薬会社より受け,プリックテストを行った.結果はクロルヘキシジングルコン酸塩溶液にのみ陽性で,本成分による即時型アレルギーと診断した.クロルヘキシジンは消毒薬として広く使用されているが,アナフィラキシーショックを起こした過去の報告も多い.日本では多数のクロルヘキシジン含有製品が流通しており,感作される危険性が高い.日本人はクロルヘキシジンの即時型アレルギーを発症しやすいことを認識し,市販薬にクロルヘキシジンが汎用される是非を問うべきである.

参考文献

1) 厚生省薬務局安全課:医薬品副作用情報,No.67(昭和59年6月), 1984
2) 木村利明,他:日本歯科評論 721:151, 2002
3) 岡村 央,他:LiSA 15:872, 2008
4) Weng M, et al:Int J Clin Exp Med 7:5930, 2014
5) 高橋敦子,他:医療関連感染 2:18, 2009
6) 寺前佳洋子,他:皮膚 37:683, 1995
7) 米山 啓,他:臨皮 56:106, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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