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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻13号

2015年12月発行

文献概要

症例報告

イオパミドールによる急性汎発性発疹性膿疱症の1例

著者: 寺前彩子1 梅香路綾乃2 鶴田大輔2

所属機関: 1浅香山病院皮膚科 2大阪市立大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.1003 - P.1008

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要約 76歳,男性.イオパミドール(オイパロミン®370注)を用いた腹部造影CTを受け,約8時間後に全身の瘙痒感が出現.翌日体幹四肢に紅斑が出現しステロイドの点滴を施行されるも軽快せず,熱発を認めた.2日後には皮疹が顔面に拡大したため当科紹介受診となった.ステロイド全身投与にて症状は軽快した.病理組織学的検査にて好中球性の角層下膿疱を認め,パッチテストではイオパミドール1%pet,10%pet,as isすべての濃度において陽性を示した.以上よりイオパミドールによる急性汎発性発疹性膿疱症(acute generalized exanthematous pustulosis:AGEP)およびⅣ型アレルギーと診断した.また非イオン性ヨード造影剤であるイオヘキソールにもパッチテスト陽性を示したが交叉反応と考えられた.造影剤によってAGEPを発症した症例は少なく,原因薬剤として見落とされる可能性があるため注意が必要である.

参考文献

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10) Roujeau JC, et al:Arch Dermatol 127:1333, 1991

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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