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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻13号

2015年12月発行

文献概要

症例報告

毛細血管拡張により診断に至ったlimited cutaneous systemic sclerosisの2例

著者: 八代聖1 種本紗枝1 崎山とも1 布袋祐子1

所属機関: 1荻窪病院皮膚科

ページ範囲:P.1009 - P.1013

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要約 症例1:66歳,女性.下口唇の出血を主訴に来院した.診察時に,口唇に多発する毛細血管拡張を認めた.症例2:55歳,女性.部分抜爪後の足趾難治性潰瘍を主訴に来院した.診察時に,口唇,口腔粘膜,前胸部,手指腹に多発する毛細血管拡張を認めた.前者で四肢末端の皮膚硬化あり,両者にRaynaud現象,爪上皮出血点を認め,抗セントロメア抗体陽性であることから,限局皮膚硬化型全身性強皮症と診断した.後者の血管拡張部の組織では真皮浅層の毛細血管拡張を認めた.全身検索では両者で逆流性食道炎を認めるのみであり,他の臓器病変や皮膚の石灰沈着はなかった.口腔粘膜の毛細血管拡張は,限局皮膚硬化型全身性強皮症に特徴的であり,皮膚硬化を欠く早期例にも高率に認めることから,診断に有用であるため,報告した.

参考文献

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10) Proudman SM, et al:Intern Med J 37:485, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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