icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻13号

2015年12月発行

文献概要

症例報告

両側性対称性帯状疱疹の2例

著者: 辻脇真澄1 保科大地1 古屋和彦1

所属機関: 1函館中央病院皮膚科

ページ範囲:P.1027 - P.1031

文献購入ページに移動
要約 症例1:73歳,女性.1週間前からの前額部皮疹を主訴に受診した.左前額部を優位として前額部全体に浮腫性紅斑・小水疱の集簇を認めた.皮膚生検で表皮内に水疱と多核巨細胞,表皮細胞壊死を認めた.V1領域の両側性対称性帯状疱疹と診断し,アシクロビル750mg/日の点滴静注で改善した.症例2:75歳,女性.4日前からの頸部皮疹を主訴に受診した.左頸部を優位として両側頸部に疼痛を伴う紅斑と小水疱の集簇を認めた.C3領域の両側性対称性帯状疱疹と診断し,ファムシクロビル1,500mg/日の投与で改善した.離れた複数の神経支配領域に皮疹が出現する帯状疱疹を複発性・多発性帯状疱疹と言い,比較的稀な病型である.本症は通常の治療で症状が軽快することから疾患特異的な予後に関しては通常の帯状疱疹と差がないと考えられるが,悪性腫瘍の合併率が高いとの報告があり,注意を要する.

参考文献

1) 加藤雪彦,他:東医大誌 52:605, 1994
2) 中井章淳,沖 守生:臨皮 57:956, 2003
3) 甲斐美咲:臨皮 54:232, 2000
4) 相馬孝光,他:臨皮 63:1045, 2009
5) 畑清一郎,他:皮膚 17:2, 1975
6) 井本敏弘,他:皮膚 34:599, 1992
7) 天津朗典,他:皮膚 38:520, 1996
8) 紺野隆之,他:皮膚臨床 51:950, 2009
9) 高須 博,他:日皮会誌 108:1419, 1998
10) 小関史朗,他:市立秋病医誌 2:55, 1992

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?