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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻13号

2015年12月発行

文献概要

症例報告

広範囲の壊死を認めたFournier壊疽の1例

著者: 岡本修1 大野仁2 橋本拓造3 白鳥敏夫3 松田佳歩4 佐藤精一4 橋本裕之4

所属機関: 1大分市医師会立アルメイダ病院皮膚科 2大分市医師会立アルメイダ病院泌尿器科 3大分市医師会立アルメイダ病院外科 4大分市医師会立アルメイダ病院形成外科

ページ範囲:P.1033 - P.1038

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要約 66歳,男性.糖尿病あり,寝たきり状態.神経因性膀胱でカテーテル管理中.入院の10日前から発熱が出現した.近医内科にて抗生剤を処方されたが効果なく,入院前日に近医泌尿器科で陰股部の発赤を指摘された.このため当院泌尿器科に入院し,膀胱瘻造設術と膿瘍のドレナージの後に皮膚科にてFournier壊疽と診断した.膿瘍切開術を施行し,入院17日目に皮膚科に転科した.病変は陰股部を中心に近位で臍上方,遠位では左大腿内側に沿って膝蓋部付近まで,体表面積の約6%の範囲に及んでいた.陰茎,陰囊の一部にガス像があり,4回に分けて順次膿瘍切開,デブリドマン,陰茎陰囊切断,人工肛門造設,創縫縮,分層植皮術を施行し,入院90日目にリハビリ目的で転院した.重症Fournier壊疽は遭遇する機会が少なく,徹底した創傷処理と頻回の栄養投与量の見直しが重要と考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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