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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻13号

2015年12月発行

文献概要

症例報告

肝血管腫を伴ったblue rubber-bleb nevus syndromeの2例

著者: 森志朋1 赤坂俊英1 黒田啓美2 渡辺立夫3

所属機関: 1岩手医科大学皮膚科学教室 2くろだ皮膚科クリニック 3渡辺内科医院

ページ範囲:P.1044 - P.1048

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要約 症例1:15歳,女性.3年前より両大腿に皮疹を自覚していた.徐々に増大し痛みも伴ったため近医より紹介受診した.左踵部,両大腿に紅色・青黒色の小豆大までの結節と丘疹を認めた.症例2:35歳,女性.生来,右肩から上肢,背部にかけて皮疹があったが自覚症状はなく放置していた.初診1か月前より呼吸時に増強する右背部痛が出現したため近医を受診した.前胸部から背部にかけて多発性の血管腫病変を認め精査のため当科を紹介受診した.2症例とも病理組織学的に真皮浅層に拡張した血管腔を認め,精査で肝血管腫を伴っておりblue rubber-bleb nevus syndromeと診断した.本疾患の多くは消化管血管腫を合併しているが自験例のように肝血管腫を合併している症例は稀で,時間経過とともに病型も変化するとの報告もあるため今後も慎重に経過を観察する必要がある.

参考文献

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15) 河崎玲子,他:西日皮膚 74:256, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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