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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻13号

2015年12月発行

文献概要

症例報告

Nevoid hyperkeratosis of the nipple and areolaの1例

著者: 宮澤英彦1 嶋津苗胤1 渡辺スヨン2 田島将吾3 松本賢太郎1 佐野悠子4

所属機関: 1静岡済生会総合病院皮膚科 2静岡済生会総合病院形成外科 3静岡済生会総合病院病理診断科 4静岡県立総合病院皮膚科

ページ範囲:P.1049 - P.1052

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要約 27歳,女性.数年前からある乳頭,乳輪部の結節性病変が,2回目の妊娠を契機に増大した.初診時,右側優位で乳頭,乳輪部に2〜3mm大の褐色を呈する乳頭腫状の丘疹を認めた.病理組織像では表皮は過角化を伴う乳頭腫症を示し,基底層のメラニンの増加を認めた.以上よりnevoid hyperkeratosis of the nipple and areolaと診断した.授乳の終了まで経過観察のみで症状は改善したが,病変が残存したため液体窒素による凍結療法と炭酸ガスレーザーで治療した.妊娠により増大したことと分娩前後でのエストロゲンレセプター免疫染色で妊娠中の検体のほうが基底層での核の染色強度が強いことより,病変の発症に女性ホルモンの関与が示唆された.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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