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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻2号

2015年02月発行

文献概要

症例報告

ガドリニウム造影剤投与から4年後に発症した腎性全身性線維症の1例

著者: 江頭翔1 牧野貴充1 藤澤明彦1 神人正寿1 尹浩信1

所属機関: 1熊本大学医学部附属病院皮膚科形成再建科

ページ範囲:P.98 - P.102

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要約 51歳,男性.慢性腎不全のために1992年より腹膜透析中であった.2002年,多発性囊胞腎の精査のためにガドリニウム造影剤を用いたMRIを1回のみ施行した.その4年後,四肢に皮膚の硬化,関節の拘縮が出現した.血液検査では各種自己抗体は陰性であり,大腿部皮疹の病理組織像にて真皮の膠原線維の膨化,増生および真皮全層にCD34陽性細胞の発現を認めたため,腎性全身性線維症と診断した.入院のうえナローバンドUVBでの治療を開始するとともにリハビリテーションを行ったところ,皮膚硬化の改善は十分ではなかったが,関節の拘縮は軽度改善しADLの向上が得られた.自験例ではガドリニウム造影剤の使用は少量かつ単回投与であり,さらに投与より4年経過後の発症であった.腎障害患者に対するガドリニウム投与の注意喚起が行われて日が経つが,今後も遭遇しうる疾患といえる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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