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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻2号

2015年02月発行

文献概要

症例報告

Verrucous hemangioma(疣状血管腫)の1例

著者: 笹本聖人1 伊藤宏太郎1 今福信一1 中山樹一郎1

所属機関: 1福岡大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.126 - P.129

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要約 53歳,男性.幼少時より左アキレス腱部に黒褐色結節を認め,外的刺激による増大縮小を繰り返していた.初診時,同部に直径3.5×2.5cm,高さ0.7cmの暗赤色で,表面粗糙な疣状の広茎性結節を認めた.臨床的に被角血管腫,リンパ管腫を疑い,全身麻酔下にて切除した.病理組織学的に角質の増殖,表皮の乳頭腫状肥厚,真皮乳頭層から皮下組織の増生,拡張した脈管を認めた.免疫組織化学染色で,増生した脈管はCD34(+),D2-40(−)であった.以上よりverrucous hemangiomaと診断した.拡張した血管が真皮乳頭層に限局する被角血管腫と比較して,切除時の下床の切除深度が異なり,不十分な切除での再発のリスクがあるため,慎重な鑑別を要すると考える.

参考文献

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8) 飛澤慎一,他:皮膚臨床 45:1641, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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