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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻2号

2015年02月発行

症例報告

皮下深部解離性血腫の4例

著者: 佐藤純子1 渡邊淑識1 近藤佐知子1 木藤悠子1 泉祐子1 高木奈緒1 上出良一1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属第三病院皮膚科

ページ範囲:P.149 - P.154

文献概要

要約 高齢者では皮膚,皮下組織が萎縮して脆弱となり,軽微な外力により,容易に皮下脂肪織と筋膜の間で皮下深部解離性血腫(deep dissecting hematoma)と呼ばれる巨大な血腫を生じる.今回われわれは,97歳男性,81歳女性,91歳女性,82歳女性の下腿に生じた巨大皮下血腫を経験した.全症例が抗凝固薬か抗血小板薬を内服中で,打撲,転倒を確認できた症例と,覚えがなく症状を生じた症例があった.初診時皮膚表面に溢血斑を持つ例と,目立った外傷が見られない例がある.単なる打撲,蜂窩織炎などの診断で切開,血腫除去が遅れると,広汎な皮膚壊死を生じるため,皮膚の腫大が認められるときは,早期に筋膜上まで積極的に切開して血腫を除去し,皮膚壊死を防ぐことが大切である.

参考文献

1) Kaya G, Saurat JH:Dermatology 215:284, 2007
2) Saurat, JH:Dermatology 215;271, 2007
3) Kaya G, et al:Arch Dermatol 144:1303, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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