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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻2号

2015年02月発行

文献概要

臨床統計

丹毒・蜂窩織炎86例の検討

著者: 盛山吉弘1 石川貴裕1 伊藤倫子1 加藤恒平1 高山直子1 竹下八菜1 中太智香1 野嶋浩平1 春山興右1 山本淳子1

所属機関: 1総合病院土浦協同病院

ページ範囲:P.163 - P.167

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要約 入院加療を行った丹毒・蜂窩織炎の患者86例を,血液培養の結果と抗生剤への反応をもとに,起因菌と適切な抗生剤の選択について検討した.皮膚潰瘍,褥瘡,壊疽,熱傷等,既存の皮膚損傷からの2次感染の症例,入院時に既に皮下膿瘍を形成していた症例,壊死性軟部組織感染症の症例は除外した.血液培養は41例(47.7%)で施行した.41例中10例(24.4%)で陽性であり,すべて溶血性連鎖球菌(A群1例,B群3例,G群6例)であった.黄色ブドウ球菌は1例も検出されなかった.全例が抗MRSA薬を使用せず軽快した.壊死性筋膜炎との鑑別の観点から,LRINEC score(laboratory risk indicator for necrotizing fasciitis score)の有用性についても検討した.陽性的中率は15.4%,陰性的中率は97.8%であった.局所培養が困難な蜂窩織炎の起因菌は,欧米では溶血性連鎖球菌が主であるとされており,本邦でも同様であることが示唆された.

参考文献

1) 岡崎亜希,他:日皮会誌 121:17, 2011
2) Morgan GJ, et al:N Engl J Med 355:666, 2006
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9) Liu C, et al:Clin Infect Dis 52:e18, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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