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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻3号

2015年03月発行

文献概要

今月の症例

丹毒様の臨床像を呈し好酸球性膿疱性毛包炎の組織像を示したクロムによる接触皮膚炎

著者: 小澤麻紀12 水芦政人1 沼田透効1 相場節也1

所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科皮膚科学分野 2東照宮駅前皮ふ科クリニック

ページ範囲:P.184 - P.187

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要約 65歳,男性.初診の3か月前から顔面に発赤と腫脹が繰り返し出現するようになった.習慣性丹毒の臨床診断で抗生剤投与を行ったが悪化したため生検を施行した.病理組織学的には好酸球性膿疱性毛包炎の像であった.インドメタシンを内服したが,症状は改善せず,その後に施行したパッチテストでウルシオールとクロムに陽性を示した.患者は自宅の革製ソファーで寝る習慣があり,その際に顔面皮膚がソファーに直接触れていることに気付いた.ソファーにカバーを掛け,革が皮膚に直接触れないようにしたところ,皮疹は出現しなくなった.以上の経過より革製品に含まれるクロムによる接触皮膚炎と診断した.顔面の接触皮膚炎では,原因物質として塗布するものに目が向きがちであるが,自験例のような接触様式もあることを踏まえておきたい.

参考文献

1) 鈴木加余子,他:J Environ Dermatol Cutan Allergol 6:67, 2012
2) 石川博康,三浦 歩:皮膚病診療 29:661, 2007
3) Zhai H, et al(eds):Marzulli and Maibach's Dermatotoxicology, 7th ed, CRC Press, Boca Raton, p43, 2008
4) Illel B, et al:J Pharm Sci 80:424, 1991
5) Hueber F, et al:Skin Pharmacol 7:237, 1994
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8) Rietschel RL & Fowler JF:Fisher's Contact Dermatitis 6, BC Decker Inc, Hamilton, p358, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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