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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻4号

2015年04月発行

文献概要

症例報告

陰茎に生じた色素性有棘細胞癌の1例

著者: 渡邊愛子1 園山悦子1 猿喰浩子1

所属機関: 1東大阪市立総合病院皮膚科

ページ範囲:P.303 - P.306

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要約 46歳,男性,陰茎部中央に潰瘍を伴う黒色斑あり.ダーモスコピーではびまん性の青灰色領域と樹枝状血管を認め,基底細胞癌と疑診した.病理組織像では表皮直下から真皮内に胞巣状に浸潤性増殖が認められ,胞巣辺縁では好塩基性の細胞が配列し,胞巣中心では角化する傾向がみられ,核分裂像,核濃縮像など核異型を伴う細胞の増生を認めた.真皮浅層では間質にメラノファージを認めた.またS100蛋白染色でpigment blockade melanocyteを認めた.これらの所見より自験例を陰茎部に生じた色素性有棘細胞癌と診断した.自験例の臨床像,ダーモスコピー像は基底細胞癌と鑑別が困難であった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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