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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻4号

2015年04月発行

文献概要

症例報告

Corynebacterium speciesによると思われる皮下膿瘍の1例

著者: 森本亜里1 平井郁子1 藤田浩之2 高江雄二郎1

所属機関: 1済生会横浜市南部病院皮膚科 2済生会横浜市南部病院血液内科

ページ範囲:P.332 - P.336

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要約 68歳,女性.急性骨髄性白血病に対して当院血液内科で地固め療法を施行されていた.化学療法による骨髄抑制中に突然発熱とともに右大腿に圧痛を伴う皮下硬結が出現した.同時期の胸部CTで肺野に多発結節影を認めた.皮膚生検組織像では真皮〜皮下組織にかけて膿瘍の所見を認め,明らかな菌体は認めなかった.血液,皮膚穿刺液培養でCorynebacterium speciesを検出し,同菌に起因する菌血症で皮膚病変と肺病変を生じていると考えた.薬剤感受性試験で多剤耐性を示し,感受性を示したリネゾリド開始後に速やかに解熱し,右大腿の硬結は軟化し排膿した.その後皮膚・肺病変はともに縮小し,残存する皮下硬結を切除した.術後再燃はなく,肺病変はCTで瘢痕を認めるのみとなった.Corynebacterium speciesは常在菌であるが免疫不全患者では多剤耐性を示す重篤な感染症をきたす.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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