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増刊号特集 最近のトピックス2015 Clinical Dermatology 2015 1.最近話題の皮膚疾患
ロドデノール誘発性脱色素斑
著者: 松永佳世子1
所属機関: 1藤田保健衛生大学医学部皮膚科学
ページ範囲:P.10 - P.15
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「メラニン生成を抑え,しみ,そばかすを防ぐ効果を有する」新規医薬部外品有効成分として厚生労働省の認可を取得したロドデノール(Rhododenol:RD)は多くの美白化粧品に使用され,19,000人を超える脱色素斑例が生じたことが確認されている.この「RD誘発性脱色素斑」について,医療者(皮膚科医)と患者向けに正しい情報を提供し,診断と治療方法を早急に確立するために日本皮膚科学会は「RD含有化粧品の安全性に関する特別委員会(委員長:松永佳世子)」を自主回収後速やかに設置した.特別委員会は患者のためのFAQ,医療者(皮膚科医)向けの診療の手引きを作成し,一次,二次全国疫学調査を施行し,患者および医療者に役立つ情報を提供する活動を継続している.2013年7月4日の自主回収より1年6か月経過した現在,症例の多くは色素再生が進み回復しつつあるが,いまだ改善が進まない症例もみられる.本稿ではその概要を述べる.
「メラニン生成を抑え,しみ,そばかすを防ぐ効果を有する」新規医薬部外品有効成分として厚生労働省の認可を取得したロドデノール(Rhododenol:RD)は多くの美白化粧品に使用され,19,000人を超える脱色素斑例が生じたことが確認されている.この「RD誘発性脱色素斑」について,医療者(皮膚科医)と患者向けに正しい情報を提供し,診断と治療方法を早急に確立するために日本皮膚科学会は「RD含有化粧品の安全性に関する特別委員会(委員長:松永佳世子)」を自主回収後速やかに設置した.特別委員会は患者のためのFAQ,医療者(皮膚科医)向けの診療の手引きを作成し,一次,二次全国疫学調査を施行し,患者および医療者に役立つ情報を提供する活動を継続している.2013年7月4日の自主回収より1年6か月経過した現在,症例の多くは色素再生が進み回復しつつあるが,いまだ改善が進まない症例もみられる.本稿ではその概要を述べる.
参考文献
1) 厚生労働省報道発表資料:(株)カネボウ化粧品,(株)リサージ及び(株)エキップの薬用化粧品の自主回収について(クラスⅢ)http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000035xv0.html
2) 錦織千佳子,他:日皮会誌 124:285, 2014
3) 医療者(皮膚科医)向けの診療の手引き(Ver. 7)https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/news/1405558264_1.pdf
4) 松永佳世子:皮膚病診療 37:6, 2015
5) 患者さん向けFAQ(平成26年6月29日作成)https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/news/1405037602_2.pdf
6) 患者さん・一般市民向けRD誘発性脱色素斑サイトhttps://www.dermatol.or.jp/modules/public/index.php?content_id=5.
7) 青山裕美,他:日皮会誌 124:2095, 2014
8) 会員・医療関係者向けRD誘発性脱色素斑サイトhttps://www.dermatol.or.jp/modules/guideline/index.php?content_id=5
9) Sasaki M, et al:Pigment Cell Melanoma Res 27:754, 2014
10) Ito S, et al:Pigment Cell Melanoma Res 27:744, 2014
11) Kasamatsu S, et al:J Dermatol Sci 76:16, 2014
12) Ito S, et al:Pigment Cell Melanoma Res 27:1149, 2014
13) 鈴木民夫,他:日皮会誌 122:1725, 2012
14) (株)カネボウ化粧品ホームページhttp://www.kanebo-cosmetics.jp!information!#products_name
15) 鈴木加余子,他:日皮会誌 124:3125, 2014
掲載誌情報