文献詳細
文献概要
増刊号特集 最近のトピックス2015 Clinical Dermatology 2015 1.最近話題の皮膚疾患
酢酸リュープロレリン皮下注射による肉芽腫形成
著者: 山田貴彦1 長谷川敏男1 池田志斈1
所属機関: 1順天堂大学大学院医学研究科皮膚科学・アレルギー学
ページ範囲:P.17 - P.20
文献購入ページに移動酢酸リュープロレリン製剤は,その副作用として注射部位の肉芽腫形成がしばしば報告されている.臨床像は,発赤と皮下結節が主で,ときに潰瘍を伴う.病理組織学的所見では,大小の空胞を含む巨細胞がみられることが特徴である.3か月徐放性製剤による報告例が多く,近年では主剤や基剤の濃度が高いことに加えてマイクロカプセルの形態であることが,肉芽腫形成に影響しているとされている.さらに,筋肉注射が適用される欧米と比較し,皮下注射が適用される本邦の報告数が多いことから,注射の深さも関与しているとされ,適切な投与方法の選択が重要である.
参考文献
掲載誌情報