文献詳細
増刊号特集 最近のトピックス2015 Clinical Dermatology 2015
2.皮膚疾患の病態
限局性皮膚アミロイドーシスの前駆蛋白としてのガレクチン-7
著者: 小野公司1 三浦義則2 多島新吾3 佐藤貴浩1
所属機関: 1防衛医科大学校皮膚科学講座 2自衛隊中央病院皮膚科 3並木病院
ページ範囲:P.48 - P.52
文献概要
限局性皮膚アミロイドーシスで沈着してみられるアミロイドは,アポトーシスに陥った表皮角化細胞のケラチン蛋白に由来すると考えられている.しかし,一般的にアミロイド線維はβ-シート構造であるのに対し,ケラチンはα-ヘリックス構造を有する.一方,ガレクチン-7は,表皮角化細胞においてアポトーシスに関連して強く発現され,豊富なβ-シート構造を包含する14kDaの蛋白である.われわれは病変部より抽出したアミロイド蛋白中にガレクチン-7が豊富に存在することを確認した.さらに試験管内において,トリプシン処理したガレクチン-7はケラチンと異なり,酸性条件下でアミロイド線維を形成した.皮膚に沈着しているアミロイドは主に表皮角化細胞のアポトーシスに関連して発現するガレクチン-7に由来すると考えられる.
参考文献
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