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増刊号特集 最近のトピックス2015 Clinical Dermatology 2015
2.皮膚疾患の病態
文献概要
summary
生物学的製剤,とりわけTNF阻害薬によるパラドックス反応は,乾癬,膿疱性乾癬,あるいは掌蹠膿疱症によく似た皮疹の出現が特徴的である.パラドックス反応の機序はまだ不明な点も多いが,TNF阻害により形質細胞様樹状細胞(plasmacytoid dendritic cell:PDC)の活性化が起こり,その結果,産生されるⅠ型インターフェロン(interferon:IFN)による骨髄細胞由来樹状細胞の活性化によって乾癬が増悪/新生すると考えられている.このように,抗体投与によるサイトカインの不均衡が,TNFとtype Ⅰ IFN間のcross-regulationに変化を起こすと推察する.
生物学的製剤,とりわけTNF阻害薬によるパラドックス反応は,乾癬,膿疱性乾癬,あるいは掌蹠膿疱症によく似た皮疹の出現が特徴的である.パラドックス反応の機序はまだ不明な点も多いが,TNF阻害により形質細胞様樹状細胞(plasmacytoid dendritic cell:PDC)の活性化が起こり,その結果,産生されるⅠ型インターフェロン(interferon:IFN)による骨髄細胞由来樹状細胞の活性化によって乾癬が増悪/新生すると考えられている.このように,抗体投与によるサイトカインの不均衡が,TNFとtype Ⅰ IFN間のcross-regulationに変化を起こすと推察する.
参考文献
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