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増刊号特集 最近のトピックス2015 Clinical Dermatology 2015 3.新しい検査法と診断法
CLEIA法を用いた天疱瘡・類天疱瘡の自己抗体測定
著者: 山上淳1 藤尾由美1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.71 - P.74
文献購入ページに移動天疱瘡・類天疱瘡の標的抗原であるデスモグレインおよびBP180の組み換え蛋白を用いたELISA法は,患者血清中の自己抗体を定量的に測定することができ,診断のみならず病勢評価においても重要な役割を果たしてきた.近年,ELISA法よりも測定範囲が広く,迅速に検査できるCLEIA法が開発され,天疱瘡・類天疱瘡における自己抗体価の測定は,今後ELISA法からCLEIA法への移行が進むと考えられる.同じ抗原を用いていても,マイクロカップに固層化させたELISA法と,磁性粒子上に共有結合させたCLEIA法では測定値が異なり,移行時には抗体価の変動に注意が必要である.ただしわれわれの施設での検討では,ELISA法とCLEIA法で陽性陰性の判定が異なる検体は少なく,CLEIA法による抗体価は,同一症例の経過における病勢評価にはELISA法と同等に使用できると考えられた.
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