icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻5号

2015年04月発行

増刊号特集 最近のトピックス2015 Clinical Dermatology 2015

4.皮膚疾患治療のポイント

「Mini-scar」を防ぐ痤瘡治療

著者: 林伸和1

所属機関: 1虎の門病院皮膚科

ページ範囲:P.95 - P.99

文献概要

summary
痤瘡瘢痕の分類はいまだ確立されていない.われわれは,直径2mmまでの陥凹した小さな萎縮性瘢痕をmini-scarとする分類法を作成した.痤瘡瘢痕は,mini-scarであっても痤瘡患者のQOLに大きな影響を与える.痤瘡瘢痕は不可逆性の変化であるため,痤瘡瘢痕を予防することは重要である.Mini-scarを含む痤瘡瘢痕を予防するには,炎症性皮疹に対する抗菌薬と面皰に有効なアダパレンの併用による早期の積極的な治療と,症状軽快後のアダパレンによる維持療法が重要である.2014年末に承認のされた過酸化ベンゾイルは維持療法にも使用できる炎症性皮疹に対する薬剤であり,痤瘡瘢痕の予防にも有用である.さらに,早期の受療行動と長期の医療機関での治療は,瘢痕を予防することを示唆するデータもあり,医療機関での治療を,広く啓発することも重要と考える.

参考文献

1) Jacob CI, et al:J Am Acad Dermatol 45:109, 2001
2) Dreno B. et al:Dermatology 214:46, 2007
3) Finlay AY, et al:J Eur Acad Dermatol Venereol 27:391, 2013
4) Hayashi N, et al:J Dermatol (in press)
5) Miyachi Y, et al:Dermatology 223:174, 2011
6) 堀内祐紀,他:日臨皮会誌 30:636, 2013
7) 林 伸和:日皮会誌 118:1893, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら