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増刊号特集 最近のトピックス2015 Clinical Dermatology 2015
4.皮膚疾患治療のポイント
文献概要
summary
痤瘡瘢痕の分類はいまだ確立されていない.われわれは,直径2mmまでの陥凹した小さな萎縮性瘢痕をmini-scarとする分類法を作成した.痤瘡瘢痕は,mini-scarであっても痤瘡患者のQOLに大きな影響を与える.痤瘡瘢痕は不可逆性の変化であるため,痤瘡瘢痕を予防することは重要である.Mini-scarを含む痤瘡瘢痕を予防するには,炎症性皮疹に対する抗菌薬と面皰に有効なアダパレンの併用による早期の積極的な治療と,症状軽快後のアダパレンによる維持療法が重要である.2014年末に承認のされた過酸化ベンゾイルは維持療法にも使用できる炎症性皮疹に対する薬剤であり,痤瘡瘢痕の予防にも有用である.さらに,早期の受療行動と長期の医療機関での治療は,瘢痕を予防することを示唆するデータもあり,医療機関での治療を,広く啓発することも重要と考える.
痤瘡瘢痕の分類はいまだ確立されていない.われわれは,直径2mmまでの陥凹した小さな萎縮性瘢痕をmini-scarとする分類法を作成した.痤瘡瘢痕は,mini-scarであっても痤瘡患者のQOLに大きな影響を与える.痤瘡瘢痕は不可逆性の変化であるため,痤瘡瘢痕を予防することは重要である.Mini-scarを含む痤瘡瘢痕を予防するには,炎症性皮疹に対する抗菌薬と面皰に有効なアダパレンの併用による早期の積極的な治療と,症状軽快後のアダパレンによる維持療法が重要である.2014年末に承認のされた過酸化ベンゾイルは維持療法にも使用できる炎症性皮疹に対する薬剤であり,痤瘡瘢痕の予防にも有用である.さらに,早期の受療行動と長期の医療機関での治療は,瘢痕を予防することを示唆するデータもあり,医療機関での治療を,広く啓発することも重要と考える.
参考文献
1) Jacob CI, et al:J Am Acad Dermatol 45:109, 2001
2) Dreno B. et al:Dermatology 214:46, 2007
3) Finlay AY, et al:J Eur Acad Dermatol Venereol 27:391, 2013
4) Hayashi N, et al:J Dermatol (in press)
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6) 堀内祐紀,他:日臨皮会誌 30:636, 2013
7) 林 伸和:日皮会誌 118:1893, 2008
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