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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻5号

2015年04月発行

Derm.2015

膠原病診療における皮膚科医の役割とは?

著者: 濱口儒人1

所属機関: 1金沢大学医薬保健研究域医学系皮膚科学

ページ範囲:P.103 - P.103

文献概要

 金沢大学皮膚科に入局して十数年,全身性強皮症をはじめとして,皮膚筋炎,全身性エリテマトーデスなど,膠原病の症例を数多く経験してきました.膠原病は難しい,と耳にすることがあります.確かに膠原病では多彩な皮膚症状が出現し,判断に迷うことも少なくありません.苦手意識のある先生方もおられると思いますが,皮膚科医は膠原病診療において大いに役立つと考えます.私が日々の診療のなかで感じている,膠原病診療における皮膚科医の役割について考えてみました.
 1つめは,皮膚科医が積極的に診断,治療に関わるべき膠原病の存在です.筋症状のない,あるいは乏しいclinically amyopathic dermatomyositisはその代表例です.特に急速進行型間質性肺炎を高率に合併し,予後不良な抗MDA5抗体は皮膚症状で発症することが多く,最初に皮膚科を受診することが珍しくありません.また,抗TIF1抗体の一部は顕著な皮膚症状のみのことがあり,このような症例は皮膚科医が診断すべき(あるいは皮膚科医でないと診断できない)疾患です.また,限局性(全身性ではなく)強皮症も正確な診断・フォローに皮膚科医の力は欠かせません.全身性強皮症に合併する難治性の指尖潰瘍も皮膚科医の出番です.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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