文献詳細
Derm.2015
文献概要
私は歌舞伎に興味を持っていた時期がありました.歌舞伎では主人公が重い皮膚疾患を起こしているケースが時々みられました.例えば『東海道四谷怪談』のお岩さんの顔は帯状疱疹といわれていますし,『籠釣瓶花街酔醒』の佐野次郎左衛門は天然痘のため痘痕だらけの顔になっています.その病状の誇張表現によって観客を惹きつけるということはもちろんあったでしょうが,それらの皮膚病が庶民にもなじみのあるものであったことも示しているのではないかと思います.
『病薬道戯競』という江戸時代の主な病気を相撲の番付になぞらえランキングした文献には,皮膚科関連では「疱瘡」や「癰疔」,「胎毒」(乳児湿疹のようです)といった病気が上位に挙がっておりました.この時代からすでに使われている病名もあれば,今では使われなくなった病名もたくさん載っていました.
『病薬道戯競』という江戸時代の主な病気を相撲の番付になぞらえランキングした文献には,皮膚科関連では「疱瘡」や「癰疔」,「胎毒」(乳児湿疹のようです)といった病気が上位に挙がっておりました.この時代からすでに使われている病名もあれば,今では使われなくなった病名もたくさん載っていました.
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