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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻5号

2015年04月発行

Derm.2015

蕁麻疹—過去から未来へ

著者: 益田浩司1

所属機関: 1京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学

ページ範囲:P.136 - P.136

文献概要

 私は歌舞伎に興味を持っていた時期がありました.歌舞伎では主人公が重い皮膚疾患を起こしているケースが時々みられました.例えば『東海道四谷怪談』のお岩さんの顔は帯状疱疹といわれていますし,『籠釣瓶花街酔醒』の佐野次郎左衛門は天然痘のため痘痕だらけの顔になっています.その病状の誇張表現によって観客を惹きつけるということはもちろんあったでしょうが,それらの皮膚病が庶民にもなじみのあるものであったことも示しているのではないかと思います.
 『病薬道戯競』という江戸時代の主な病気を相撲の番付になぞらえランキングした文献には,皮膚科関連では「疱瘡」や「癰疔」,「胎毒」(乳児湿疹のようです)といった病気が上位に挙がっておりました.この時代からすでに使われている病名もあれば,今では使われなくなった病名もたくさん載っていました.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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