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増刊号特集 最近のトピックス2015 Clinical Dermatology 2015 4.皮膚疾患治療のポイント
成人T細胞白血病/リンパ腫,皮膚T細胞リンパ腫の治療の展望
著者: 濱田利久1 岩月啓氏1
所属機関: 1岡山大学病院皮膚科
ページ範囲:P.137 - P.140
文献購入ページに移動従来,皮膚病変が中心の成人T細胞白血病/リンパ腫(adult T-cell leukemia/lymphoma:ATLL)と菌状息肉症を主とした皮膚T細胞リンパ腫の治療は,光線療法や外用療法を中心とした局所治療と化学療法を主とした全身療法に大きく分かれていた.一方,抗腫瘍治療という視点で近年の状況を概観すると,2001年にトラスツズマブ(乳癌),リツキシマブ(悪性リンパ腫),イマチニブ(慢性骨髄性白血病,消化管間質腫瘍)が国内で相次いで承認されたが,これらの薬剤はそれぞれHER2,CD20,Bcr-Abl/c-Kitを分子標的として腫瘍細胞に作用するように設計された「分子標的薬」という範疇の新規抗悪性腫瘍薬である.これらを皮切りに,さまざまな悪性新生物に対してさまざまな分子標的の薬剤が登場し現在も精力的に開発が進められている.皮膚リンパ腫の分野においても,ここ数年でヒストン脱アセチル化酵素阻害薬であるボリノスタットが主に菌状息肉症・Sézary症候群に対して,ヒト化抗CCR4抗体製剤であるモガムリズマブがATLLや末梢性T細胞リンパ腫に対して使用可能となり,徐々に治療の選択肢が増えつつある.本稿では今後を含めて開発が進みつつある複数の薬剤を紹介し,将来的な治療の展望について述べる.
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