文献詳細
増刊号特集 最近のトピックス2015 Clinical Dermatology 2015
4.皮膚疾患治療のポイント
文献概要
summary
血管肉腫は軟部悪性腫瘍の1〜2%を占めるまれな軟部肉腫であるが,高齢者の頭部に好発することから,皮膚科医が知っておくべき悪性腫瘍の1つである.血管肉腫に対する治療として手術と放射線,IL-2療法などの併用が行われてきたが,有効といえる化学療法がなかったため,切除困難例や転移例では予後不良な経過をとることが一般的であった.しかし,近年血管肉腫に高い奏効率を示すタキサン系抗癌剤が登場したことで治療が変わりつつある.現在,日本ではweekly paclitaxel療法が保険適応となり,軟部悪性腫瘍に対する初めての分子標的治療薬としてパゾパニブも承認された.またドキソルビシンやソラフェニブなど他の癌腫で使用されている抗癌剤が血管肉腫に奏効する報告も増えつつあり,治療の選択肢が増えてきている.血管肉腫の治療に化学療法は必須であり,これらの新規化学療法により,予後の改善が期待されている.
血管肉腫は軟部悪性腫瘍の1〜2%を占めるまれな軟部肉腫であるが,高齢者の頭部に好発することから,皮膚科医が知っておくべき悪性腫瘍の1つである.血管肉腫に対する治療として手術と放射線,IL-2療法などの併用が行われてきたが,有効といえる化学療法がなかったため,切除困難例や転移例では予後不良な経過をとることが一般的であった.しかし,近年血管肉腫に高い奏効率を示すタキサン系抗癌剤が登場したことで治療が変わりつつある.現在,日本ではweekly paclitaxel療法が保険適応となり,軟部悪性腫瘍に対する初めての分子標的治療薬としてパゾパニブも承認された.またドキソルビシンやソラフェニブなど他の癌腫で使用されている抗癌剤が血管肉腫に奏効する報告も増えつつあり,治療の選択肢が増えてきている.血管肉腫の治療に化学療法は必須であり,これらの新規化学療法により,予後の改善が期待されている.
参考文献
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